ユースケースイメージ PEITホワイトレーベルサービス
本記事はPEITホワイトレーベルサービスのユースケースイメージであり、実際の導入事例ではありません。また、登場する企業名や関係者名はすべて架空のものです。
企業概要
ジャパン・グロース・エクイティ株式会社は、国内のシリーズB〜Dステージにある未公開企業への成長資金供給を事業の主軸としたベンチャーキャピタル会社。これまで10以上のファンド運営実績を有し、業界内では安定したリターン実績で定評がある。
導入前の課題
- 未公開株式を組み入れた証券投資法人の上場方法がわからない
未公開企業投資への関心は高まっているが、クロスオーバー型公募投信においては、未公開企業の組み入れ比率は低位に抑えることが求められている。そのため、個人投資家にとってはまだまだアクセスが困難な状況である。同社はこれまで、機関投資家向けファンドの組成・運用のみに特化していた。
2025年2月に東京証券取引所がベンチャーファンド市場の上場基準を緩和したことを受け、「個人投資家向けのベンチャーキャピタル商品の開発は当社事業の成長可能性を高める」「資金調達活動を効率化することができる」という声が社内で高まった。
一方で、未公開株を投資対象とする証券投資法人(PEIT/ Private Equity Investment Trust)の設定・運営・上場に関する国内事例は、ほとんど存在しなかった。そのため、どこから着手すべきかが不明であった。
サービス選定の決め手
- 現状、唯一の選択肢はJAMPだった
日本資産運用基盤(JAMP)の「PEITホワイトレーベルサービス」は、未公開企業投資に特化したファンドを投資法人として組成・上場に必要な論点を整理しながら伴走してくれる仕組みであり、自前でゼロから全てを立ち上げることが困難な同社にとっては、唯一の選択肢だった。
JAMPファンド・マネジメントから委託を受ける形で未公開企業へ投資をしたり、投資先のコーポレートアクションに係る適時開示に対応したり、主幹事証券を選定し、折衝したりといった役割を担う必要はあるものの、未公開企業への投資という枢要な部分は同社がベンチャーキャピタル会社としてもともと強みとしているところであり、一般事務受託者や資産保管会社などと連携したPEIT運営、上場審査対応などの不慣れなところを一括してサポートしてもらえる点が魅力だった。
導入プロセスと支援内容
まず、JAMPからPEITのストラクチャーや組成・運営に係る業務概要などのレクチャーを受けた。そのなかで、同社が担う役割とJAMPが担う役割などを整理し、PEITの組成から上場までのタスクとスケジュール案を策定することから着手した。細部は走りながら詰める必要があるものの、キックオフ段階でおおまかなロードマップを把握することで、同社側メンバーがゴールイメージを共有することができた。未公開企業への投資は同社が担う必要があるものの、投資法人側の業務は基本的に全てJAMPが主導してくれるので、規程・基準書の策定なども含め、その辺りの負担は非常に小さかったのが印象的だった。
導入後の効果・成果
- 直接、資本市場から調達し、未公開企業に投資する循環が生まれた
ベンチャーキャピタル会社として高い評価を受けていた同社ブランドも奏功し、第1号PEIT商品のIPOは成功をおさめ、調達した資金で新しい未公開企業への投資を順調に実施することができている。
また、これは想定外の効果だったが、日本では事例の少ないPEIT事業に挑戦し、成功を収めたことにより、同社に対して「ベンチャースピリッツに富んだ企業である」との認識が広まった。その結果、投資先企業との信頼関係が強化され、投資案件の発掘がしやすくなったように感じている。
今後の展望
従来の組合形式のベンチャーキャピタルファンドの運営の場合、事業規模を拡大するためには新しいファンドの組成が必要であり、そのたびに機関投資家などを対象とする資金調達活動の負担が大きかったが、PEITの場合は新しい投資資金の調達はPO(公募増資)で行うことができるため、より投資運用に注力することができる。社内でも議論を深める必要があるが、中長期的には同社事業はPEITに寄せていくということもあり得るのではないか。
担当者からのコメント
「“未上場株式投資の手段を個人に提供する”という私たちの想いや時代に合わせた事業展開の構想を、JAMPは実現してくれた。私たちにとって唯一無二の共創パートナーだ。」
(マネージングパートナー 高橋 遼 氏)