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「JAMPの視線」No.304(2025年10月26日配信)

JAMP 大原啓一の視点 2025年10月26日

 2番目の弟が関西で「たこまる」というたこ焼き居酒屋を何店舗か経営しているのですが、通販も始めたらしく、我が家の子供たちに冷凍たこ焼きを送ってくれました。もちろんお店で焼き立てほやほやを食べるのが最高に美味しいのですが、冷凍たこ焼きもなかなか美味しかったです。何よりもたこ焼きという響きだけで週末のランチがわくわく感あるものになるのが良いですね。子どもたちも大喜びでした。関西にお住まいの方、関西に出張等で訪問される方は、ぜひ「たこまる」に行ってみてください(「肉と鍋さとり」という焼き肉居酒屋もやっています)。

 さて、先日のNikkei Financialで特集も組まれていたように、資産運用立国の旗印のもと、金融商品取引所の役割が改めて注目をされており、その取り組みのなかでETF市場の活性化に向けた諸施策が色々と講じられています。金融商品取引法の改正を受けた上場規則の改訂、それに基づくETFホワイトレーベルの解禁もその諸施策のひとつです。弊社・日本資産運用基盤では、グループ子会社であるJAMPファンド・マネジメントを主体とし、東京証券取引所と連携し、国内外の資産運用会社等向けのETFホワイトレーベルサービスの提供の準備を整え、現在は主に同サービスの認知度向上に注力をしています。

 先日、東京証券取引所のETF推進部の皆さまと情報交換面談をさせて頂いた際、「東証ETFの伝道師」こと、岡崎啓課長から「資産運用立国とETFについて」という資料のご説明をいただき、いつも通り大変勉強になったこともあり、今日のメールマガジンではそこでの学び/気づきを簡単に紹介させて頂きます。

日本のETF市場の成長はアクティブETFの広がり次第か

 世界のETF市場は、米国と欧州にけん引される形で拡大傾向にある一方、日本市場におけるETFの存在感は残念ながらやはりまだまだ小さい状況です。それはETF市場の残高規模の小ささとして表れているだけではなく、株式時価総額に対するETF資産総額の割合をみても、米国や欧州では約17%程度の水準にある一方、日本ではまだ1.5%程度と圧倒的に低い水準に留まってしまっているということです。

 ただ、歩みは遅いとはいえ、金融商品を比較する能力・責任を有する機関投資家が主導する形で、日本のETF市場も過去10年強で10倍程度には成長(2012年の約2兆円→2025年6月の約20兆円/いずれも日銀保有分除く)していますし、SBI証券や楽天証券の積立て投資サービスで投資対象となっている上位銘柄はETFが多く占めている状況にあり、成長の可能性は大いにあるというのが岡崎課長をはじめとする東京証券取引所の考えとのことです。この前向きな見通しについては、私も大いに共感するところです。

 確かに現時点では、欧米のETF市場の拡大を足もとけん引しているアクティブETFが日本ではまだ浸透していないこともあって不透明感はぬぐえないものの、東京証券取引所のアクティブETFに関する規制の緩和や、新たなアクティブETF商品を提供しようとする主体の増加の兆しもあり、恐らくは来年頃から日本でもアクティブETFの成長が日本のETF市場の成長を加速させるのではないか、そんな予感を強く持っています。

アクティブETF事業への参入が予想される新たなプレイヤー

 弊社のETFホワイトレーベルサービスの利用を検討されている海外の資産運用会社の多くは、日本の機関投資家・個人投資家の巨額資金にアクセスする手段として、販売会社をひとつひとつ開拓する必要がない日本籍ETFの組成・上場に関心が高く、特に来年春にも?と噂されているETFによるOTCデリバティブの利用の解禁が実現した暁には、自社のユニークな運用商品を日本籍ETFとして日本市場に投下したいという資産運用会社が少なくありません。こうした海外運用会社が日本のETF市場に参入すると、商品性の優劣の目利きができる機関投資家を中心に、アクティブETFのニーズが喚起され、利用が広がるように思われます。

 また、これは私の個人的な予想ですが、これまでETFの運用主体として想定されてこなかった日系の金融機関もETF市場に運用主体として参入することを予想しています。例えば、独自の世界観や理念を武器に個人投資家の共感を多く集めている独立系直販投信会社は、NISA口座を複数金融機関で保有できないという逆境への対抗策として、自社商品のETF化を通じ、効率よく販売チャネルを拡大しようと考える可能性は大いにあると思います。加えて、ハウスビューをもとに顧客にポートフォリオ提案をしている証券会社やIFA等においても、投資助言や投資一任といった事業モデルが設備投資の大きさや事業拡張性の難易度といった問題があるなか、自社のハウスビューをETF商品として具体化し、顧客に提供しようとする動きは強まっていくと考えています。

 このような国内外の金融機関がETFの運用主体として新たにETF市場に参入する際、自社でライセンスや必要な設備等を揃えたり、事業運営に自前で費用をかけたりするのは効率が悪く、そのような取り組みをご支援する機能として、弊社が提供するようなETFホワイトレーベルサービスのような「基盤」の必要性も高まっていくものと考えます。

JAMPメンバーの採用情報

 日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。
弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!

代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!

keiichi.ohara@jamplatform.com

News Picks ダイジェスト

代表取締役 大原啓一 のコメント

【Nikkin金融講座 我が国全体で進む金融経済教育 (4) 高齢社会と金融経済教育】

大原のコメント→                                       

 金融経済教育というと株式や為替等に関する知識を身に着けるというイメージが一般的なように感じますが、高齢化社会が進むなか、老後の生活資金がどれくらい必要か、それをどのように備えるかということを考えることの重要性を啓蒙する方がはるかに重要であると考えています。
 いったん仕事を退職してしまうと、後から老後の生活資金が十分ではないと気付いたとしても手遅れであるにも関わらず、金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」によると、老後の生活資金の必要額を認識している人は約半数、それに備えて具体的なアクションを取っている人は30%にも満たない水準という驚きの状況にあります。

https://newspicks.com/user/121187/?ref=user_121187&sidepeek=news_15329258

【高市早苗首相の18閣僚への指示書、全文明らかに - 日本経済新聞】

大原のコメント→                                       

 資産運用業界の人間としては、片山さつき財務相(金融担当相)への指示書のなかで資産運用立国推進についても明確に記載頂いていること、心強く感じますね。

(指示書より引用)

(7)資産運用立国・投資立国の実現に向けて、人的投資やインパクト投資を含めたすべての投資を促進する。そのために、貯蓄から投資への移行を更に進めるとともに、企業統治の強化や資産運用の高度化等に取り組む。

(引用終わり)

https://newspicks.com/user/121187/?ref=user_121187&sidepeek=news_15329692

主任研究員 長澤 敏夫 のコメント

【生活保険文化センター調査、外貨保険の加入率は1.9%】

長澤のコメント→

 外貨建て保険の加入率が1.9%とのことですが、外貨建て保険の主な販売チャネルは銀行等であり、そこでの投資信託等の保有者の割合は数%程度のところも多いです。また保険会社からの出向者も今後は期待できなくなることを考えると、顧客拡大には販売態勢の整備など課題が多いように感じます。

https://newspicks.com/user/6551307/?ref=user_6551307&sidepeek=news_15337166

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