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「JAMPの視線」No.305(2025年11月2日配信)

JAMP 大原啓一の視点 2025年11月2日

 小学校5年生の長男が通う小学校で毎年秋に「パフォーマンス大会」というピアノの演奏やダンス等のパフォーマンスをお披露目する大会が開催されるのですが、なんと我が家の長男が今年それに出場すると聞いて驚きました。ピアノもダンスも何もできないのに、何のパフォーマンスするの?と聞いたところ、なんと「口笛」で出場するようです。私もメンタルの強さには自信があるほうですが、全校生徒が参加する大会に「口笛」だけ(しかもあまりうまくない)で出場するという図太さには開いた口がふさがりませんでした。うちの息子は大物になるかもしれません。

「縁の下の力持ち」の重要性を改めて感じたMTBJの25周年記念パーティー

 さて、「ダウンタウンのごっつええ感じ」のコントではありませんが、このところ金融機関開催のパーティーにお誘い頂くことが多く、先週水曜日は日本マスタートラスト信託銀行の25周年記念パーティーに出席をさせて頂きました。同社のお取引先が招待されているということで、国内外の金融機関の方々で大賑わいでしたが、特に資産運用会社はほとんど全ての主要な会社の経営者の皆さまが出席されており、最大株主である三菱UFJ信託銀行の窪田社長がご挨拶でおっしゃられていた通り「縁の下の力持ち」としての日本マスタートラスト信託銀行の存在感の大きさ、重要性を改めて感じました。

国内外の運用会社の経営者の方々などで大賑わいでした

 「資産運用立国」の旗印のもとで資産運用ビジネスに金融業界内外から注目が集まっていますが、資産運用ビジネスの発展を支える「基盤」の重要性はいくら強調してもし過ぎることはないと思います。今回の日本マスタートラスト信託銀行の25周年記念パーティーは、政府が主導する「Japan Weeks 2025」のコアウィークの翌週の開催であり、また、日本マスタートラスト信託銀行及び三菱UFJ信託銀行の資産運用会社向けミドルバックオフィス業務BPOサービスが100兆円を突破したタイミングでもありましたので、政府や民間金融機関にとっても、「基盤」の重要性を改めて認識する良い機会となったのではないでしょうか。弊社・日本資産運用基盤もその「基盤」の重要性や可能性の大きさを確信し、創業した経緯がありますので、「縁の下の力持ち」が主役として注目を集める今回のパーティーを我がごとのように嬉しく感じました。

資産運用ビジネスの各機能レイヤーを充実させる視点が重要

 本メールマガジンをお読み頂いている皆さまにとっては何を今さらという感じかもしれませんが、資産運用ビジネスは、高付加価値業務であるアセットマネジメント業務のみならず、ファンドマネジメントやファンドアドミ、受託銀行、再受託銀行、グローバルカストディ、業務運営システム、金融情報配信、指数算出・提供等、様々な機能レイヤーから構成されており、それぞれのレイヤーのプレイヤーが主役としてアセットマネジメント業務を担う資産運用会社をサポートしつつ、最終受益者から頂戴する残高比例報酬等をシェアするというビジネスエコシステムで成立しています。

 「資産運用立国」の旗印を掲げるのであれば、花形のアセットマネジメント機能レイヤーの付加価値創出を強化(効率化・高度化)するのはもちろんのこと、それ以外の機能レイヤーの充実も欠かせません。また、それに加えて、「立国」というからには、やや排外的な色彩を帯びてしまうかもしれませんが、国内勢でこれら機能レイヤーをしっかりと担い、日本が保有する巨額の金融資産から得られるフィーを海外に流出させないという視点も重要であると考えます。

 例えば、日本マスタートラスト信託銀行や三菱UFJ信託銀行等が担う受託銀行や再受託銀行、ファンドアドミ等の機能レイヤーは国内勢でしっかりと固めていますが、金融情報配信や指数算出・提供といった機能レイヤーはどうでしょう?金融情報配信はQUICKが頑張っていますが、そのレイヤーに実る果実の大部分はBloombergやロイター等の外資勢によって収穫されているように見受けられます。特に私が問題意識を持っているのは、指数算出・提供レイヤーです。国内株式以外の指数については国内勢はまったく太刀打ちできず、MSCIやS&P等の外資勢にほぼ全て依存しきっているのが現状です(海外機関投資家は日本株指数として日経225やTOPIXはほぼ使わないため、国内株式の指数でもグローバル視点では国内勢はまったく太刀打ちできていないのが現実ではありますが)。オルカンをはじめとする代表的な公募投資信託から得られるフィーのほとんど全てはこれら外資系の指数算出・提供プロバイダーによって海外流出してしまっており、アセットマネジメントやファンドマネジメントを担う運用会社に残るフィーはごくわずかという例も少なくないように認識しています。

金融情報配信レイヤーでのQUICK・Bloomberg・ロイターの戦いを描いた本書は必読です

 外資勢を締め出せ、全ての機能レイヤーは国内勢のみで占めるべきだということを言っているわけではありません。ただ、それぞれの機能レイヤーで国内勢もしっかりと存在感を示し、金融資産から得られるフィーを可能な限り国内に還流させるような努力を日本の資産運用業界としてはしなければならないのではないだろうかという問題意識を持っているものです。

 日本マスタートラスト信託銀行のパーティーに出席させて頂きながら、そのような視点での問題意識を改めて感じるとともに、まだ弱小ながらも国内勢の一員として、「基盤」レイヤーの一端を担う会社として、日本資産運用基盤の付加価値をより大きくしようという決意を強くしました。


JAMPメンバーの採用情報

 日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。
弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!

代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!

keiichi.ohara@jamplatform.com


News Picks ダイジェスト

代表取締役 大原啓一 のコメント

【広島銀、GBAラップ200億円突破 5カ月で残高倍増】

大原のコメント→

 色々な地域銀行の預かり資産ご担当からよく質問を頂くようになっていますが、広島銀行様のここ最近の加速っぷりが半端ないです。
 ゴールベース型資産運用アドバイスをコアとするという経営から現場に至るまでの一貫したコミットメントに加え、お客様の納得度の高さに基づく成約率の高さ&解約率の低さ、営業員の自信の向上といった流れが確立されてきていることを感じます。

https://newspicks.com/user/121187/?ref=user_121187&sidepeek=news_15385372

主任研究員 長澤 敏夫 のコメント

【地銀、窓販営業縮小の動きも 出向者引き揚げや金利上昇で】

長澤のコメント→

 個人的にはメガバンクから地域金融機関まで全ての金融機関が横並びで保険を扱う必要もないと思われ、保険会社からの出向者が引き揚げるなか、保険関係業務の内製化が難しいようであれば、業務縮小もやむを得ないのではないかと考えます。ただし、投資信託についてはNISAによる資産形成の流れが広がりつつある今、顧客との接点が減ることで、逆に預金の粘着性が低下して流出が加速してしまうのではないかと懸念されます。
 また、投資信託の商品説明が難しいというのも、顧客は必ずしも複雑な商品を望んでいるわけではなく、将来に向けた資産形成や老後の資産運用・取崩しへのアドバイスを求めていると考えれば、商品ラインアップやそれに伴う資産運用アドバイスを含むビジネスモデル全体が変わってくるのではないかと思われます。

https://newspicks.com/user/6551307/?ref=user_6551307&sidepeek=news_15358380


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