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「JAMPの視線」No.297(2025年9月7日配信)

JAMP 大原啓一の視点 2025年9月7日

 

ゴールベース型資産運用サービスのお客様の存在

 先週金曜日に公表させて頂きましたが、弊社が提供するゴールベース型資産運用ビジネス支援サービス「GBASs」のご支援契約件数が1万件を突破しました。資産運用ビジネスに携わっていると、収益に直結する資産運用残高の成長に目が向きがちですが、その裏側にいるお客様の存在が疎外されているような感覚に陥ることが少なくありません。ゴールベース型資産運用サービスは、従来の投資商品とは異なり、ひとりひとりのお客様/ひとつひとつのご家庭の「将来に備える」サービスということもあり、サービスをご利用されているお客様の存在を常に意識することが重要であるといつも考えています。将来的には日本の1,000万世帯以上のお客様にご利用頂けることを目指し、これからもゴールベースアプローチの考え方の普及やサービス・ビジネスとしての実装をご支援する「GBASs」の提供・機能拡充に努めてまいりたいと思います。



 なお、弊社・日本資産運用資産運用基盤のゴールベースアプローチに対する想いやゴールベース型資産運用ビジネス支援サービス「GBASs」の概要等については弊社のホームページで説明させて頂いていますが、私がこの辺りをより詳しくお話させて頂く動画を今週前半に公開する予定です。お手すきの際にご笑覧頂ければ幸いです。

 

資産運用会社の社名変更についての私見

 さて、今月9月から日興アセットマネジメントが約26年にわたって使用していたその社名を廃止し、アモーヴァ・アセットマネジメントへと社名を変更しました。確かに同社は既に(SMBC)日興証券とは資本的にも関係はないですし、グローバルビジネスにも注力していますので、「日興」のブランドを冠する社名を変更するというのは合理的と言えるかもしれませんが、これまで長年にわたって使用し、ブランド価値を高めてきた社名を捨てるということは本当に正しい経営判断なのだろうかと関係ない第三者ではありつつも気になるところです。グローバルビジネスの割合が大きいとはいえ、主戦場は日本であることも事実であり、日本の金融関係者に馴染みのある「日興」ではなく、日本人的には発音のしにくい「アモーヴァ」という冠に変更することがどのような効果をもたらすのか、これから注目されます。

 ちなみに、資産運用会社の社名変更で個人的に秀逸だなと感じたのが、私の古巣である「DIAMアセットマネジメント」から「アセットマネジメントOne」への変更です。みずほグループの運用会社の統合を経ての社名変更ではありながらも、みずほ(興銀)と第一生命との合弁会社であるというプロファイルもあり、当時の「One Mizuho」のスローガンと第一生命の「1」を両方カバーしている新社名を最初に聞いたときは、その社名がどうこうということではなく、双方のメンツを可能な限り尊重しようとする関係者の皆さまの苦心の姿勢に感銘を受けました。「アセットマネジメントOne」という落としどころというか前向きな方向性を感じさせる新社名を最初に考案した人には座布団を100枚くらいあげてもいいんじゃないかと当時は思いました。

 資産運用会社はある意味で「哲学」をサービス・ビジネスとして実現するために存在する会社であり、その社名は「哲学」を表現するひとつの手段として非常に重要なものだと私は考えています(もちろん資産運用会社以外の事業会社にとっても社名が重要であることは言うまでもありませんが)。これから日本の資産運用業界が発展していく過程で会社のサイズを問わずに合従連衡が進んでいくことが予想されますが、そのなかで資産運用会社の社名がどのような変遷をたどっていくのかということも興味深いです。


JAMPメンバーの採用情報 

日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。
弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!

代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!

keiichi.ohara@jamplatform.com


News Picks ダイジェスト

代表取締役 大原啓一 のコメント

【金融庁、地銀に投資ファンドや証券会社との連携促す-中小企業支援で】

大原のコメント→                                       

 新興企業育成や事業承継、ゾンビ企業立て直し等を目的とするリスクマネー供給手段として、地域銀行が貸出し(デット)のみならず、投資(エクイティ)にも取り組む動きは今後も拡大していくことは間違いありません。

 貸出し(デット)業務で培った知見やノウハウをそのまま投資(エクイティ)業務には活用することが難しいこともさることながら、ファンド組成・運営等、リスクマネー供給を効率的に行う仕組みの構築も必要になってくると考えており、地域銀行と証券会社等との連携が重要という考えには同意です。

https://newspicks.com/user/121187/?ref=user_121187&sidepeek=news_15002402


【大手行、個人預金 獲得競争が激化 みずほ銀も金利戦線に】

大原のコメント→                                       

 「金利のある世界」復活で銀行セクターは全般的にポジティブな恩恵を受けるというイメージを持たれがちですが、実際には金利というコモディティの水準競争が激化し、銀行間での金利引き上げによる預金獲得競争で体力の削りあいが進んでいくことは避けられません。ただ、この金利引き上げ競争の先には明るい未来はないと懸念します。

 法人・個人のお客様にコモディティではない独自の付加価値をどのように提供するのか、また、経済活動のインフラとしての存在感を金融・非金融の両面でどのように大きくするか、まさに金融機関としての付加価値が強く求められるようになることは間違いありません。

 その意味で、本記事で書かれているような「金利引き上げで預金顧客をかき集め、そこに投資商品を販売」するのではなく、「資産運用サービスでしっかりとした付加価値を提供し、金利引き上げ競争に陥ることなく顧客を囲い込む」ことが今後は銀行の成長戦略のコアになると予想します。

https://newspicks.com/user/121187/?id=121187&ref=user_121187&sidepeek=news_15019504


主任研究員 長澤 敏夫 のコメント

【足利銀、投資一任サービス100億円突破 取り扱い開始3カ月で】

長澤のコメント→

 足利銀行は、経営陣がリテール業務に理解があり、投資信託の残高重視に早めに舵を切ったとうかがったことがあります。残高に応じたフィーベースへのビジネスモデルへの転換は目先の収益低下という痛みを伴うものでありますが、いずれにせよ販売手数料の低下傾向は不可避であるため、中長期的には経営の安定化につながるものかと思われます。

 投資一任サービス開始後3か月で100億円と、短期間に残高を積み上げることができるのも、ノルマというより、こうした経営陣のコミットメントがあってのものかと思います。

https://newspicks.com/user/6551307/?ref=user_6551307&sidepeek=news_15007638


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