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「JAMPの視線」No.275(2025年4月6日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】


 目次
①JAMP 大原啓一の視点
②JAMPメンバーの採用情報
③NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
④お知らせ・ニュースリリース
⑤メディア掲載情報
⑥インフォメーション



JAMP 大原啓一の視点 2025年4月6日


  新しく幼稚園の年長になった我が家の次男が少しずつ平仮名を書けるようになってきました。本人的にそのことがやたらと嬉しいのか、紙を見つけるとひたすら何かを書きつけています。つい先日も妻に買ってもらったばかりのノートに夢中になって何かを書きつけているので横から見てみると、「まま」「わたる」「たける」と、妻や長男、自分の名前を全てのページに書きまくっており、なんだか精神的に疲れた人のノートみたいになっていました。あと、どこにも「ぱぱ」というのが見当たらなかったのが少し寂しかったです。

 さて、先週頭に公表させて頂きましたが、弊社・日本資産運用基盤は、株主でもある株式会社ジャパンインベストメントアドバイザーと業務提携に係る基本契約書を締結しました。本業務提携基本契約に基づき、今後は地域銀行等のアドバイザー機関に対し、ゴールベース特化型研修プログラムの開発・提供や営業戦略策定・実行支援、フォローアップ等を内容とする営業支援ソリューションを提供してまいります。

 日本資産運用基盤は、個人のお客様の「将来に備える」ニーズに対応するために必要なのは「投資」商品ではなく、「資産運用」サービスであるという理念のもと、資産運用会社や証券会社、地域銀行等のパートナー金融機関に対し、ゴールベース型資産運用支援ソリューション(GBASs(ジーバス))を提供しています。広島銀行や佐賀銀行等の大手地域銀行もアドバイザー機関として加わる等、お蔭さまで徐々にソリューションをご利用頂くパートナー金融機関は増加しており、当該地域にお住いの個人のお客様にゴールベース型投資一任サービスを提供する取り組みを始めて下さるようになっています。

 ただ、これまで過去数年間のパートナー金融機関との取組みを通じて感じるのは、これまで長期間にわたって注力してきた「投資」商品の販売から「資産運用」サービスの提案・提供へ切り替えることは、いかに経営陣のコミットがあったとしても、いかに弊社のGBASsソリューションのような枠組みがあったとしても、容易ではないということです。地域銀行は過去20年以上にわたって投資信託の販売を預かり資産事業の中心として行ってきており、そこで蓄積されたノウハウや育成された専門人材等は基本的には全て「投資」商品の販売に向けたものです。あるべき転換であるとはいえ、それをガラガラポンで「資産運用」サービスの提案・提供へと切り替えることは、根本の宗教的とも言える哲学レベルのところから見直す必要があり、現場の戸惑いやある時には抵抗感等もあり、なかなかスムーズにはいきません。

 もちろん、取り扱い開始から時間が経てば、お客様からの感謝のお声などを中心とする成功体験が現場に積み上がり、少しずつペースを速める形で「資産運用」サービスへの転換が進むというのも色々なパートナー金融機関の実績を通じて確認されているところであり、方向性自体に対する確信に迷いは一片もありません。とはいえ、この転換の過程をもう少しスムーズにし、パートナー金融機関、特にアドバイザー機関の役割を担う地域銀行等の事業面での負担を少しでも軽減できないだろうか、そんな問題意識をずっと持っています。

 地域銀行等のアドバイザー機関向けの研修プログラムの提供や営業支援等については、これまではもっぱらプラットフォーム金融機関と呼ばれる投資一任運用会社に一義的にその役割を担って頂いていましたが、当然ながらゴールベース型投資一任サービスの運用・提供というのは、プラットフォーム金融機関にとっても新規事業であり、世界観への理解やノウハウが十分にあるわけではないことに加え、アドバイザー機関に対する支援リソースも十分に確保できているわけではありません。

 このような状況に対し、ゴールベース型資産運用サービスの世界観を日本で最も熟知していると自負するとともに、全てのパートナー金融機関の試行錯誤や成功体験等を横断的に把握している私たち日本資産運用基盤がより踏み込んだ形で、アドバイザー機関に提供しようとするのが今回の新たな取組みの趣旨です。実際のソリューションの提供においては、個人向け金融サービスの営業組織の構築・運営に豊富な実績を持つジャパンインベストメントアドバイザーと役割分担をします。

 私はこれまで、日本資産運用基盤の役割は、金融機関の資産運用事業を裏から支える「黒子」であるという表現を用いてきました。もちろん、金融サービスの運用・提供という点では主役は弊社の顧客である金融機関であり、私たちはそれをご支援するという役割であることは間違いなく、その役割分担はこれからも変わりません。一方、無意識であったにせよ、「黒子」という表現に「自分たちはこれ以上は踏み込まない」という「線」を引くような気持ちがあったことも否定できないと反省しています。GBASsをご利用頂いている金融機関を「パートナー金融機関」と対等に表現することを躊躇っていたのも、そんな気持ちが背景にあったように思います。

 これからはそのような「線」を引くような気持ちは改め、ゴールベース型資産運用サービスを運用・提供する全ての「パートナー金融機関」の「裏」ではなく、「横」に伴走し、真の「資産運用」サービスの普及と事業の推進をご一緒するような対等な役割であるとの認識のもと、より一層に微力をつくしてまいりたいと思います。




News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)


【地銀株、経営力で価値向上の時代 - 日本経済新聞】
大原のコメント→
 「金利のある世界」復活で銀行セクターは全般的にポジティブな恩恵を受けるというイメージを持たれがちですが、実際には金利というコモディティの水準競争が激化し、体力面でメガバンク等に劣後する地域銀行は徐々に厳しい状況になると考えています。
 法人・個人のお客様にコモディティではない独自の付加価値をどのように提供するのか、また、地域の経済活動のインフラとしての存在感を金融・非金融の両面でどのように大きくするか、まさにこの記事で表現として用いられている「経営力」が重要になってくることは間違いありません。




News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)


【「高金利」うたう預金の注意点 適用の条件や期間に着目 - 日本経済新聞】
長澤のコメント→
 米ドル預金と円預金の「抱き合わせ」や、投資信託とのセット商品などは多少の金融リテラシーがあれば自分でも計算し比較することで損得は明らかになります。ただし、「仕組み預金」は償還条件などの仕組みが複雑なことに加え、デリバティブが組み込まれることで、どの程度手数料がとられているのかわからず、一見魅力的に見える利回りが果たしてリーズナブルなものなのか判断できないところに注意が必要です。
 一時期、仕組み債が問題になりましたが、仕組み預金は特に「預金」と名がつくので、顧客は預入元本が喫損するとは、仕組み債以上に思っていない可能性もあり、販売金融機関においては、より丁寧な説明が求められる商品であると考えます。