
「JAMPの視線」No.266(2025年2月2日配信)
次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】
JAMP 大原啓一の視点 2025年2月2日
経済アナリストの森永卓郎さんが先週1月28日に67歳という若さでお亡くなりになりました。私はご本人とは直接の面識はなかったものの、ご子息で同じく経済アナリストの森永康平さんとは公私ともに親しくさせて頂いていることもあり、なんとなく勝手にそのご活動をいつも身近に感じていました。
経済分析というのは個々の自然人や法人の経済活動を総体として捉えるものであり、本来的には人間を疎外する方向の取り組みであるところ、森永さんの分析やお話はいつもそこに人間を感じさせるものだったように思います。その「矛盾」は、実地の経済活動の分析をひとつひとつ積み上げ、それら具体例を交えてお話になるというスタイルもあるのでしょうが、社会やそこに生きる人間に対する森永さんの関心や愛情に裏打ちされたものだったのではないかといま感じています。
私も金融・資産運用業界で個人のお客様向けのサービス提供に携わっていますが、ビジネスという視点ではどうしても目の前の状況を「ご支援残高●●億円」等と人間を疎外して総体としてとらえてしまいがちなように思います。ただ、当然ながら実際にはその総体の裏側に資産運用サービスを利用されているひとりひとりのお客様、ひとつひとつのご家庭があり、その営みや想い等が存在する、そういう視点を忘れてはいけないということを改めて感じました。
森永さんの周囲に対する関心や愛情ゆえに周囲からも愛されていらっしゃったところ、ご体調が優れないにも関わらずに最後まで社会に貢献しようとされていたところ等、ひとりのプロフェッショナルとしても、ひとりの社会人としても、こうありたいと感じるお姿でいらっしゃったとしみじみ感じます。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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SGIC社が策定するマーケットビューや各資産クラスの期待リターン・リスク数値等に留まらず、それらに基づくモデルポートフォリオまでも「SMBCグループのウェルスマネジメント共通のビュー」ということにすると、グループ各社が運用するファンドラップやバランス型投信等の運用も横ぐしが通されるのかといったことが興味深いですね。
【大分銀、投資専門子会社を4月設立へ】
大原のコメント→
新興企業育成や事業承継、ゾンビ企業立て直し等を目的とするリスクマネー供給手段として、地域銀行が貸出し(デット)のみならず、投資(エクイティ)にも取り組む動きは今後も拡大していくことは間違いありません。
貸出し(デット)業務で培った知見やノウハウをそのまま投資(エクイティ)業務には活用することが難しいこともさることながら、リスクマネー供給のためのファンド組成・運営を効率的に行う仕組みの構築も今後重要になってくると考えています。
News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)
【レバレッジ3倍ファンドが大打撃、エヌビディア株急落で資産半減】
長澤のコメント→
一時期レバナスなどのレバレッジ型・インバース型の投資信託やETFが注目を集めていましたが、これらに対しては、金融庁でもHPのトップページで注意喚起をしていたのですが、特に注意しなくてはいけないポイントは、商品の設計上、相場が一定の範囲内で膠着状態にある場合、価格が下落する「減価」だと思います。株価の日々の騰落率の2倍や3倍の動きとなるリスクの高さは、購入者は当然理解していると思いますが、減価の仕組みまで理解した上で購入している人がどの程度いるのか懸念されます。