「JAMPの視線」No.335(2026年5月31日配信)Your Success. Our Platform. - 基盤づくりの次の局面へ
JAMP 大原啓一の視点 2026年5月31日
今日は朝から、私以外の家族がご近所の皆さんと明日までの泊まりがけで高尾山に旅行に行ってしまったため、珍しく週末にぽっかりとひとり時間ができました。取り残されたような寂しさを感じる一方で、締め切り間近の海外のお客様向け提案書の作成を進めつつ、朝からがっつり全身の筋トレをしたり、先生から厳しく指導されたクラリネットの弱点を練習したりと、普段はなかなかできない、自分のペースでの休日の過ごし方ができました。せっかくのひとり時間にもかかわらず、仕事と筋トレとクラリネットを詰め込んでいるあたり、資産運用業界の基盤づくりより先に、自分自身の休日の過ごし方を再設計する必要がありそうです。
ひとりで始めた「基盤」構想
さて、2018年5月28日の日本資産運用基盤株式会社の創業から、先週木曜日で丸8年が経ちました。創業当初、私が考えていたのは、民間企業でありながらも、日本の金融・資産運用業界全体の「基盤」となるような存在をつくることでした。いま振り返るとかなり無謀ですが、全国の地域銀行や信用金庫等に出資していただき、信金中央金庫のような、業界全体を支える公的性格を持った会社を立ち上げられないかと本気で考えていました。
当然ながら、そのような構想は簡単には実現しませんでした。結果として、自己資金でひとり立ち上げ、人形町の小さなレンタルオフィスから事業を始めることになりました。知名度もなく、お金もなく、サービスもなく、人材もない。あるのは、日本の資産運用業界には必ず「基盤」が必要になるという想いだけでした。
資金面でも人材面でも、創業期は苦しいことの連続でした。正直に言えば、いまなお苦しい、悔しい、情けない、しんどいと思うことは日々あります。それでも、ビジョンに共感してくださる多くの株主、パートナー企業、金融機関、そしてメンバーに支えていただき、何とかここまで進んでくることができました。結果的には、特定の業界団体や金融グループに属さない独立した立場で、柔軟に事業を立ち上げ、進めてこられたことは、私たちらしい道だったのかもしれません。
2018年5月の創業当時の日本資産運用基盤の本社オフィス
目的は、資産運用ビジネスの再定義
日本資産運用基盤について、「ゴールベース型資産運用サービスを普及させる会社ですよね」と言われることがあります。もちろん、ゴールベース型資産運用ビジネス支援は、私たちにとって非常に重要な事業領域です。しかし、それ自体が私たちの最終目的ではありません。私たちが目指しているのは、日本の資産運用業界の生産性を高め、資産運用業が日本経済をけん引する産業となり、同時に、良質な資産運用サービスがより多くの生活者に届く社会を実現することです。ゴールベース型資産運用ビジネス支援は、そのための重要なアプローチのひとつです。
同じように、日本版ファンドマネジメントカンパニー機能を活用し、投資信託・ETF・PEIT等のホワイトレーベルサービスを提供するという投信ビジネス支援も、私たちが考える「基盤」づくりの一部です。金融機関や資産運用会社がすべてを自前で抱えるのではなく、それぞれの強みに集中し、共通化・外部化できる機能は基盤として活用する。そのような水平分業型の産業構造への転換こそが、私たちの問題意識の中心にあります。
5月29日には、新しいブランドステートメントとして「Your Success. Our Platform.」を公表しました。これは、私たち自身が主役になるという宣言ではありません。金融機関や資産運用会社、そしてその先にいるお客様の成功を支えるために、私たちは基盤であり続けるという意思を表したものです。創業以来、私たちが取り組んできた「基盤」づくりとは、単に業務を受託したり、システムやサービスを提供したりすることではありません。資産運用を、商品提供や運用成績の競争だけに閉じ込めるのではなく、金融機関の事業構造、お客様への提供価値、そして産業としてのあり方そのものを捉え直すことです。その意味で、私たちの取り組みは、資産運用ビジネスを再定義していく試みでもあります。
創業当初に頭の中で描いていた事業は、想定以上に時間はかかりましたが、ようやく少しずつ形になってきました。ゴールベース型資産運用ビジネス支援サービス、投信ビジネス支援サービス、そして金融機関の資産運用ビジネス全体を支える各種プラットフォーム機能。それぞれが具体的な支援実績として積み上がってきたことに、一定の手応えを感じています。
基盤づくりの次の局面へ
一方で、まだまだこれからだという想いも強くあります。インフレが進む中で、個人のお客様が将来の生活設計を守るためには、ゴールベース型資産運用サービスの必要性はこれまで以上に高まっています。また、資産運用立国や新NISAを背景に、個人金融資産は少しずつ投資・資産運用へ向かい始めています。
しかし、その流れが、資産運用会社をはじめとする金融機関の収益性や雇用、GDP、税収への貢献に十分つながっているかというと、まだ道半ばです。資産運用業を本当に日本経済をけん引する産業にするには、単に投資残高を増やすだけではなく、金融機関が持続可能な事業として資産運用サービスを提供できる産業基盤を整える必要があります。
さらに、プライベートアセットを対象とする投資商品、ETFや投資信託ビジネスの再設計、セキュリティトークンやステーブルコイン等のブロックチェーン技術を活用した新しい金融サービスなど、これまでの「基盤」そのものを刷新する動きも広がっています。私たちに求められる役割は、創業時に想像していた以上に大きくなっているように感じます。
今年2月には、創業直後に開催した初回以来、久しぶりとなる2回目の事業説明会を中期事業説明会という形で開催しました。そこで改めて感じたのは、創業から8年でようやく入口に立てたということです。
これから10周年までの2年間は、日本資産運用基盤にとって極めて重要な時間になると考えています。これまで積み上げてきた事業をより確かなものにしながら、新しい資産運用ビジネスの「基盤」づくりにも踏み込んでいきたい。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、業界の常識を少しずつ揺さぶりながら、金融機関とその先にいるお客様の成功を支えるプラットフォームとして、日本の金融・資産運用業界の次の段階を共につくっていきたいと思っています。
ここまで支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。9年目も創業当初の想いを忘れず、しかし創業当初よりもはるかに大きな責任感を持って、全力で取り組んでまいります。
JAMPメンバーの採用情報
日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!
代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!
News Picks ダイジェスト
代表取締役 大原啓一 のコメント
【585A:日本バリュー・ボトムアップ株式投資戦略アクティブETF】
大原のコメント→
日本資産運用基盤グループのETFホワイトレーベルサービスを活用したアクティブETFの上場です!これまで主に欧米の機関投資家のみに提供されてきた投資運用戦略が日本藉ETFとして幅広い投資家の皆さまにご利用いただけるようになります。
https://newspicks.com/user/121187/?ref=user_121187&sidepeek=news_16739818
【資産運用会社の買収、規制緩和へ 金融庁、貯蓄から投資の流れ加速】
大原のコメント→
この規制緩和は、日本の金融機関による資産運用ビジネス高度化にとって重要な一歩だと思います。
これまで日本の金融機関が海外の高度な運用ノウハウを取り込む場合、多くは投資運用の再委託や外国籍投信の組み込みという形にとどまってきました。しかし、それでは海外運用会社の運用力や商品開発力を「借りる」ことはできても、自社グループ内にノウハウや人材、投資哲学を蓄積することは難しい面があります。
本気で資産運用ビジネスを高度化するのであれば、海外運用会社との提携に加え、買収を通じて運用機能そのものを取り込む選択肢が必要です。その意味で、兼営業務の売却を一定期間猶予する今回の方向性は、銀行グループ等がより機動的にM&Aを検討するうえで合理的だと思います。
もちろん、買収すれば直ちに運用力が高まるわけではありません。買収後に、運用人材の独立性を保てるか、投資文化を壊さずにグループ戦略と接続できるか、リスク管理やガバナンスをどう設計するかが問われます。金融機関側に、運用会社を単なる商品供給部門としてではなく、専門性を持つプロフェッショナル組織として扱う覚悟がなければ、買収は成功しません。
それでも、日本の資産運用業界が海外の先端的な運用技術や商品開発力を本格的に取り込むには、再委託から一歩進み、買収・統合を通じて自ら運用力を内製化する動きが必要です。今回の規制緩和は、そのための制度的な土台を整えるものとして評価したいです。
https://newspicks.com/user/121187/?id=121187&ref=user_121187&sidepeek=news_16750159
主任研究員 長澤 敏夫 のコメント
【岡三証券、対面営業時間25%増 AIで業務負荷減】
長澤のコメント→
生成AIやDXの活用は対面営業を代替するものではなく、むしろその付加価値をより高めていくものであると思われます。記事にあるようなAIにより業務効率化とコンプライアンス強化による信頼性の底上げを行い、人間だからこそできる深い信頼関係の構築や複雑な資産運用アドバイスにリソースを集中させる形こそが、今後の資産運用ビジネスのコアとなるのではないかと思われます。
https://newspicks.com/user/6551307/?ref=user_6551307&sidepeek=news_16776516
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